2010年5月号
通巻548号

特集 「未来」を拓く中山間地域の「集落」

 「中山間地域」「限界集落」などの専門用語が、新聞見出しに多く使われるようになった。人口減少・高齢化が進み、耕作放棄地が増え、伝統的な集落の力が弱まって、中山間地域の「自立」と「活性化」が問われ始めている。
  しかし、都市部の人びとの疲れ切った暗い表情とは対照的に、直売所や加工所で活き活きと動き回る中山間地域の人びとの表情には輝きがあり、日本の中山間地域の集落は、意外な力強さを内包していることに気づくことになる。全国9カ所の集落を見ることから、中山間地域の未来と日本の産業社会の未来を考える 。

「トロッコ王国」で海外から観光客が訪れる人口58人の集落――美深町仁宇布地区
酒本 宏 (株)KITABA代表取締役社長
だんごハウスくりや・ミニ産直柿の里――岩手県釜石市
山本 健 岩手県立大学総合政策学部講師
開拓集落の「農村レストラン」の展開──栃木県那須塩原市の「ファーム高林坊」
関 満博 一橋大学大学院商学研究科教授
自己資金のみで立ち上げられた農産加工所──長野県塩尻市の矢沢加工所企業組合
山口 晋 目白大学社会学部専任講師
古民家が残る景観を活用した交流事業──兵庫県篠山市丸山地区
足利 亮太郎 甲陽学院高等学校教諭
独自の市場を築き上げた開拓集落の取り組み──岡山県浅口市
西村 裕子 一橋大学大学院商学研究科
オール兼業農家で集落営農と産業化に取り組む
──広島県東広島市「ファーム・おだ」「こうち寄りん菜屋」
松永 桂子 島根県立大学総合政策学部准教授
やっぱり学校の再生だ!──集落コンビニ・居酒屋・宿泊施設になった巣立ちの学校「森の巣箱」
畦地 和也 黒潮町役場
地域住民よる自主財源確保を通じた集落再生:
やねだん(鹿児島県鹿屋市串良町柳谷集落)
大西 達也 (株)日本政策投資銀行地域企画部地域振興グループ課長
◎<事業報告>
「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック2009」審査報告
財団法人日本地域開発センター
大賞作品紹介
○「ムダのない家」   ○「フィアスホーム LUCE (寒冷地仕様・温暖地仕様)」
   日野建ホーム株式会社    (株)トステム住宅研究所 フィアスホームカンパニー
◎<地域振興の視点>
エコ・エコ都市──世界銀行のレポートを読む
大西 隆 『地域開発』編集長・東京大学

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