2012年5月号
通巻572号

特集 東アジアから中山間地域の内発的発展を考える

 急ピッチで人口減少、高齢化が進展し、そのしわ寄せが中山間地域に集約的に表出している。加えてグローバル化の影響を受け、経済社会構造の再編成を迫られている。中山間地域の急激な人口減少、高齢化は、実は日本に限らず、中国、韓国、台湾でも顕著である。
 モンスーン稲作地域にある中山間地域の困難な状況、それを克服することを目指す内発的発展の取り組みを紹介し、そこに共通する条件不利地域の地域再生の模式を探る。また、地域政策における内発的発展論の位置づけを再考する。

特集にあたって
矢作 弘 『地域開発』編集委員・龍谷大学
東アジア中山間地域の将来展望のために――内発的発展論からの問題提起
保母武彦 島根大学名誉教授
中山間地域の内発的発展をめぐる理論的諸問題
中村剛治郎 龍谷大学政策学部教授
生活空間の再生としての内発的発展
清水万由子 総合地球環境学研究所研究推進戦略センター特任助教
韓国農山村の内発的地域活性化の事例と課題
劉 正奎 韓国/財団法人地域財団運営理事
台湾における中山間地域の再生と復興まちづくり──桃米生態村の事例
黄 世輝 台湾/雲林科技大学創意生活デザイン学科教授
脱農業化に成功した「義烏モデル」の特徴と示唆――「内的発展モデル」の中国バージョン
陳  雲 中国/復旦大学国際関係・公共事務学院副教授
下川における内発的発展の活動紹介
春日隆司 北海道下川町環境未来都市推進本部長
中山間地域の内発的発展――日本の小さな事例、半農半Xコンセプトの観点から
塩見直紀 半農半X研究所代表
京都府北部における地域・大学連携プラットフォームの創設
富野暉一郎 龍谷大学政策学部特任教授
◎<調査報告>東日本大震災
仮設住宅に寄り添う仮設店舗――岩手県宮古市田老の共同仮設店舗「たろちゃんハウス」
松永桂子 大阪市立大学大学院創造都市研究科准教
◎<調査報告>
宿泊旅行を中心とした観光市場の現況と将来展望
小林賢弘 株式会社日本政策投資銀行地域企画部地域振興グループ主任研究員
◎<調査報告>
鹿児島県大崎町/シラスで緑化基盤に展開
――左官業から新たな領域を切り拓く「ストーンワークス」

関 満博 明星大学経済学部教授
◎<研究報告>
持続性ある地域づくりの高度化に向けた新しいアプローチ
――地域ソーシャル・イノベーションの形成

田代洋久 大阪市立大学大学院創造都市研究科客員研究員
◎<書評>乾亨・延藤安弘 編著
『マンションをふるさとにしたユーコート物語――――これからの集合住宅育て
★内容のページへ
桑子敏雄 東京工業大学大学院教授
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