2011年度の地域政策講演会・地域開発研究懇談会


●454回(2011年04月) ICTインフラとしてのクラウドがもたらす社会変化と新しいビジネス
 
 近年のグーグルに代表されるIT企 業によるクラウドサービスが、急拡大しています。データセンターのネットワーク化をベースにしたクラウド事業は大きな発展が期待されるなか、クラウドサービス事業者としての通信事業者や電機メーカーの事業動向および総務省の自治体クラウド推進本部、自治体のデータセンターの発展方向について概説してくださいます。また、今後のクラウドを活用した新たなビジネスの可能性についても展望し、最後に利用者側の視点としてのクラウドコンピューティングの活用方法、そして業務スタイルの変化についても言及していただく予定です。
吉崎 正弘 氏(総務省関東総合通信局長

●456回(2011年05月) 人口減少時代の地方再生〜東日本大震災後の地方の復興・再生を求めて
 
 2004年をピークに日本の総人口は減少し始めた。人口減少時代を迎え、これからの日本の経済、都市・地方のくらし方の有り様をも検討すべき時にきているのではないか。日本の発展のための人口流動、各種規制・制度の再考の必要もあるのではないか。 また、3月11日の東日本大震災により、東北地方・北関東沿岸域およびその内陸地域に集積してきた企業と経済、行政、くらし、コミュニティを日本社会との関係での復興・再生という視点が必要となっている。そうした観点から地方再生論を考える。
松谷 明彦 氏(政策研究大学院大学教授、元財務省大臣官房審議官

●457回(2011年06月) 東日本大震災を考える〜復興へのステップと課題
 
 3月11日におきた東北地方太平洋沖地震は、地震・津波・原発事故により東北地方沿岸域および北関東沿岸域を中心に、広範囲に甚大な被害を与え、さらに日本経済全体にも大きな影響を与えている。
  首相の諮問機関である復興構想会議では、復興にむけた様々な議論がなされている。しかし当面の生活支援への対応の遅さに批判の声も拡大している。生活支援に続き、広大な被災地の復興への対策に向けた取り組みはこれからであるが、復興へのステップについて、地震等による被災地での復興支援を研究している専門家から、復興への取り組みについての基本的な考え方、その対応、仮設住宅からの復帰にいたるまでの道程について説明していただいた。
濱田 甚三郎 氏(株式会社首都圏総合計画研究所代表取締役、仮設市街地研究会代表

●458回(2011年07月) 東日本大震災を考える〜水産業・沿岸都市・漁村の新しい創造について
 
 東日本大震災により、東北地方沿岸都市・漁村は、壊滅な被害を被った。現在、各地域で復興の議論がはじまったところである。今後は都市・地域のハード面での復旧はおこなわれる。他地域の例では復旧しても人口減少が止まらず地域の衰退が進行した。東北の被災地の産業の要は、水産・加工業である。これが核となる産業の復興と新生のためには、水産業への新制度の導入による雇用、投資および経済を呼び込むことが挙げられる。ハード中心の防災のあり方も再考が必要である。
今回は、国際交渉の経験が豊富な元水産庁の水産行政エキスパートであり、さらに被災地の生まれで現場に精通する小松正之教授より、こうした新しい水産業のあり方について提言していただく。また海洋汚染への対策や国際協力のあり方についても言及していただいた。
小松 正之 氏政策研究大学院大学教授、海洋政策論

●459回(2011年07月) −「地域政策講演会」・第459回地域開発研究懇談会併催−
東日本大震災からの創造的復興に向けて〜復興構想会議の提言を踏まえて
 
 東日本大震災復興構想会議の提言書が6月25日に菅総理に手交されました。復興構想会議委員として、提言取りまとめの審議に参加した当センター理事長大西隆が、東日本大震災からの復興に向けた取組み、国や地方自治体の役割、そして創造的復興とは何かについて語りました。(※賛助会員・地域開発研究懇談会会員対象の講演会)
大西 隆(一般財団法人日本地域開発センター理事長、東京大学大学院教授

●460回(2011年09月) 総合特別区域法
 
 去る6月22日、総合特別区域法が国会で可決・成立した。総合特区制度は、経済の国際競争力の強化、グリーン・イノベーションやライフ・イノベーションによる新たな産業・雇用の創出、人口減少・高齢社会に立ち向かう持続的なシステムづくりなど、我が国が抱えるさまざまな政策課題に対して、その解決の突破口となるような取組みを本気で行う実現可能性の高い地域に、規制・制度の特例や財政・税制・金融上の支援措置など、国と地域の政策資源を集中させる新たな仕組みである。8月には法律が施行され、第1回の各地域からの地区申請・提案募集が始まる見込みである。新しい総合特区の目指すもの、制度の概要とこれから展開について、担当部署から説明をいただいた。
田尻 直人内閣官房地域活性化統合事務局参事官

●461回(2011年10月) 東日本大震災からの産業復興の課題と提案
 
 3月11日の東日本大震災によって、東北沿岸地域の産業は、未曾有の被害を被った。被災後、一部の製造業は早くも立ち直り始めたところもある。東北沿岸地域の産業は、現状はどのようになっているであろうか。あるいはその後の産業の復興によって、何が変わってきたのであろうか。東北地域の産業復興あるいは企業家支援に対して、今後、必要とされる政策について、現場に詳しい関満博先生に縦横無尽に語っていただいた。
関 満博明星大学経済学部教授、当センター理事、 産業論・中小企業論・地域経済論

●462回(2011年11月) −「地域政策講演会」・第462回地域開発研究懇談会併催「東日本大震災の現状と復興」−
 
 第462回地域開発研究懇談会では、東日本大震災の現状を踏まえ、復興に向けた取組み、方向について、当センター会長 伊藤滋からの提言を行いました。会場は、建替え後、2011年11月に営業再開した飯野ビルのイイノホールで、見学会も行われました。
(※賛助会員・地域開発研究懇談会会員対象の講演会)
伊藤 滋(一般財団法人日本地域開発センター会長、早稲田大学特命教授)

●463回(2011年12月) 東日本大震災からの農業・農地の復興・再生とこれからの課題
 
 311東日本大震災により、東北地方の沿岸域は、水産業はもとより農業も甚大な被害を被った。特に、津波による沿岸域の農業用施設は失われ、農地の冠水により土地の復旧が喫緊の課題となっている。また原発事故による放射能の広域への飛散による土壌および農産物への影響は、農業経済へ打撃を与えている。
 政府は農業の復興に向けて、高付加価値戦略、低コスト化戦略、農業経営の多角化戦略を打ち出している。被災地には、がれきも残っており、地盤沈下も起き、被害の大きさによっては、海から近い地域では使用可能になるまで5〜10年かかる可能性もあると指摘されている。農業・農地の復興・再生について、農業経営学がご専門の大泉一貫先生より、農業・農地の再生やこれからの農業経営の課題について、ご提案いただいた。
大泉 一貫宮城大学副学長・事業構想学部長、農業経営学、地域経済論、食・農業政策

●464回(2012年1月) これからの日本経済に発展可能性はあるのか?〜復興・国際化と地域経済 〜
 
 日本経済を取り巻くさまざまな事象(ユーロ危機、震災復興、円高、TPP、税と社会保障など)がどのような影響を与えるのか概観した後、経済構造を人的資本、物的資本、無形資本の三つに分けて課題と対応を述べる。海外市場への依存とは別に、「地域経済の自立」による国内市場を開拓(社会問題解決型のビジネス)する必要性と、その中心にある金融システムの未来を考える。
鍋山 徹日本政策投資銀行産業調査部 チーフエコノミスト、テレビ東京・WBS「ワールドビジネスサテライト」コメンテーター、日本経済新聞社「十字路」執筆担当、日本経済団体連合会21世紀政策研究所グローバルJAPAN特別委員会委員

●465回(2012年2月) 建設業の海外展開とインフラ輸出に向けたグローバル戦略
 
 一昨年、政府は新成長戦略を打ち出し、建設業や都市等インフラ分野の海外展開を進める方針を示した。戦略の1つに、パッケージ型インフラ海外展開があり、日本経済の活性化のためには、さらなる推進が必要である。今回は、建設業を中心に、国土交通分野のグローバル戦略について解説していただく。建設業のアジア・中東を中心とした海外展開、各国との経済連携協定等による環境整備、インフラ輸出に向けた官民連携等のテーマがあるが、国はどのようにして、日本の経済活性化を果たそうとしているかを実務の中心となる参事官から話を伺った。
中島 正人国土交通省大臣官房参事官


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